TACのつぶやき その672

3月になりました。
本日は,お休みを頂き,不要不急の外出を避けた結果,一歩も外出しませんでした。
私にとって,非常に希有なことです。

 

巷では,コロナウイルスの検査が問題になっています。
そもそもリアルタイムPCRとは?

 

実は,本校の(仮)カメら部 イシガメ保全プロジェクトは,ニホンイシガメの環境DNAの定量を行っています。
環境DNAとは,環境中に存在する,生物の排出物に含まれたり体から脱落した細胞のDNAのことです。
相楽園の池に含まれるニホンイシガメの環境DNAを抽出して定量する研究にチャレンジしています。

 

方法は,池の水をくみ,タンパク質分解酵素でDNA以外を分解し,DNAだけをフィルターに吸着させます。
最後にフィルターに吸着されているDNAを溶かして取り出し,試料とします。
ただしこの試料には,いろいろな生物のDNAが非常に少量ずつ混在しています。

 

そしてこの様々なDNAの中からニホンイシガメだけのDNAを増幅させます。

 

一般のPCR(polymerase chain reaction ポリメラーゼ連鎖反応)は,
増幅させたい生物のプライマー(DNA増幅の起点)とDNA合成酵素,4種類のヌクレオチドを加えて,温度を変化させます。
95℃(DNAの解離)→55℃(プライマーの結合)→72℃(DNAの合成)の1サイクル3分でDNA量が2倍になります。
あとはこれを繰り返してDNAを増幅させます。10回繰り返すだけで1,024倍,20回繰り返して1,048,576倍に増えます。

 

そしてリアルタイムPCRは,4種類のヌクレオチドに蛍光物質が結合しており,その都度吸光度で定量できるという優れものです。

(仮)カメら部は神戸大学の源先生の研究室で,このリアルタイムPCR用の試料を作り,分析してもらっています。
(ちょっと自慢。)

IMG_0665.jpg分析用の試料を作っています。

IMG_0693.jpg白い箱がrtPCRの機械でパソコンで操作します。

 

ただコロナウイルスは,DNAではなくてRNAを遺伝子として持っているので,たぶん逆転写酵素でRNA→cDNA(一本鎖のDNA)→DNA(2本鎖)にする必要があると思われます。このような手間が増えるだけでなく,当然ウイルスなので感染の危険もあるでしょうから,安全な場所での操作が必要です。
ということで,かなりの時間がかかるのも頷けます。
事故の無いよう,無理の無いよう,検査が行われることを望みます。

教頭先生 2020年3月 1日 22:34 | トラックバック(0) |

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